
点鼻インフルエンザワクチン『フルミスト』
点鼻インフルエンザワクチン『フルミスト』
現在、お鼻にスプレーするインフルエンザワクチン『フルミスト』が国内承認されております。
皮下注射のインフルエンザワクチンとの違いは投与方法以外にもいくつかあります。
種類 | 注射のインフルエンザワクチン | 『フルミスト』 |
投与方法 | 皮下注射 | 鼻の中に噴霧 |
ワクチンの種類 | 不活化ワクチン(ウィルスは死んでいます) | 生ワクチン(弱い生きたウィルスです) |
投与回数 | 小児は2回接種が推奨 | 1回 |
治療効果 | 感染時の症状を軽くできる |
鼻・のどからの感染予防が期待できる (完全ではありません) |
対象年齢 | 全年齢(当院では6歳以上) | 2歳から18歳まで(当院では6歳から) |
副反応 | 発熱 | 注射に比べて鼻症状・のど症状は出やすい |
【ワクチンの効果と副反応】
本ワクチンはインフルエンザウィルスを弱毒化した生ワクチンです。接種後に身体の中で増えたワクチンウィルスに対する免疫ができ、インフルエンザウィルスの感染を予防します。
一方、本ワクチンの接種に伴う副反応として、鼻閉・鼻漏・咳嗽・口腔咽頭痛・頭痛などが見られることがあります。また、重い副反応としてショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫など)や、海外ではベル麻痺を含む脳神経障害、脳炎、痙攣(熱生痙攣を含む)、ギランバレー症候群(手足に力が入らない、痺れ、食べ物が飲み込みにくい、呼吸が苦しいなど)、血管炎(発熱、頭痛、倦怠感、紫斑、紅斑など)などが報告されてます。
なお、副反応による健康被害が生じた場合の救済については、健康被害を受けた方または家族が独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法に基づいて手続きを行うことになります。
詳しくは独立行政法人 医療品医療機器総合機構のホームページ(http://www.pmda.go.jp/)をご覧ください。
【予防接種を受けることができない方】
①明らかに発熱してる方(通常は37.5度を超える場合)
②重い急性疾患にかかっていることが明らかな方
③過去に本ワクチンに含まれている成分で、アナフィラキシー(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のひどい蕁麻疹などを伴う重いアレルギー反応のこと)を起こしたことがある方
④明らかに免疫機能に異常のある疾患をお持ちの方、免疫抑制をきたす治療を受けている方
⑤経口または注射の副腎皮質ホルモン剤を使用している方
⑥妊娠していることが明らかな方
⑦その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方
【予防接種を受ける際に医師と相談していただく方】
①ゼラチン含有製剤またはゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫など)などの過敏症を起こしたことがある方
②心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患などの基礎疾患のある方
③過去に予防接種で接種後2日以内に発熱、全身性の発疹などのアレルギーを疑う症状が見られた方
④過去に痙攣(ひきつけ)を起こしたことがある方
⑤過去に免疫状態の異常を指摘されたことがある方、または近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
⑥重い喘息のある方または喘息の症状のある方
⑦薬の服用または食事(鶏卵・鶏肉・その他鶏由来のもの)で発疹が出たり、体に異常をきたしたことがある方
⑧発育が遅く、医師、保健師の指導を受けている方
⑨妊娠中または妊娠の可能性のある方(接種前1ヶ月間避妊していない方)、授乳中の方
⑩サリチル酸系医薬品(アスピリン等)、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸を服用している方
【予防接種を受けた後は以下の点に注意してください】
①接種後は、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫など)が起こる可能性がありますので、医師とすぐ連 絡が取れるようにしておきましょう。
②接種当日は過激な運動は避けてください。また、健康状態に十分注意し、体調の変化、高熱などの異常な症状を呈した場合には、すぐに医師の診察を受けてください。なお、接種当日の入浴は差し支えありません。
③妊娠が可能な方は、接種後2ヶ月は妊娠をしないように注意しましょう。
④接種後1〜2週間は乳児や重度の免疫不全の方との接触を可能な限り控えましょう。